京都新聞杯は京都芝2200m外回り。
ダービーへの最終便という位置づけのレースだが、今年はなかなか判断が難しい。能力だけならベレシートが一番強く見える。ただ、15番枠、追込想定、単勝1倍台の人気を考えると、馬券の中心に置くには少し怖い。
一方で、内〜中枠から運べそうなエムズビギン、アーレムアレス、バドリナート、カフジエメンタールあたりは、枠・隊列・オッズ込みでかなり面白い。
今回は「能力最上位を素直に軸」ではなく、3着内率と回収期待値を分けて考えるレースと見る。
予想印
| 印 | 馬名 | 短評 |
|---|---|---|
| 軸 | エムズビギン | 2番枠、川田、きさらぎ賞再評価で3着内率を最も高く見る |
| ◎ | アーレムアレス | ホープフルS4着の内容が濃く、13倍前後なら期待値本命 |
| ○ | バドリナート | 好位再現性とオッズ妙味。ホープフルS5着として評価 |
| ▲ | カフジエメンタール | 毎日杯3着+調教良さそう。条件が噛み合えば馬券を跳ねさせる |
| △ | ベレシート | 能力は最上位級。ただし外枠・追込想定・調教B・人気で中心にはしない |
軸:
最も3着以内率が高いと見る馬。
馬連・ワイド・3連複のベースになり、的中時に最低限の回収を作る馬。
能力・安定感・レース質適性・位置取りリスクの少なさを重視する。
◎:
来た時に最も期待値が高い馬。
最も勝つ可能性が高い馬ではなく、オッズに対して評価が甘い馬を選ぶ。
この馬が来た時に大きく回収できるように馬券を組む。
○:
来た時に2番目に期待値が高い馬。
◎との組み合わせ、または軸との相手本線として回収率を補強する馬。
▲:
条件が噛み合った時に一撃がある馬。
勝ち切り・連対・3着激走のいずれかで配当を跳ねさせる役割。
馬連・ワイド・3連系で厚薄をつけて拾う。
△:
3連系の紐に入れておきたい馬。
勝ち切りまでは強く見ないが、3着以内に来る可能性や展開利があり、消すと相手抜けのリスクがある馬。
レース質の想定
京都芝2200m外回りは、1コーナーまでの距離が長く、序盤から極端に飛ばす形にはなりにくい。基本は前半スロー〜平均で入り、3角の坂の頂上付近から下りにかけて加速する形。
坂を上がって下りに入ってからの4F戦、ドスローなら3F戦になりやすい。
先週の京都芝は全体として内前・好位が強い傾向。天皇賞春だけは前半1000m59.9、ラスト5Fが12.4-11.7-11.7-11.6-12.1という長距離持続戦になり、差し・長距離適性が強く出た。ただ、これは3200m、かつG1という特殊なレース質で、京都新聞杯にそのまま外差し有利として当てはめるのは危険。
5月8日金曜朝時点の京都芝は、クッション値9.7。含水率はゴール前8.2%、4角7.0%。標準の範囲だが水分は少なめで、雨がなければ時計の出る良馬場寄りで考えたい。
過去傾向でも、逃げ切りより差しが中心。ただし追込一気はかなり苦しい。手元の脚質傾向では、差しが7勝、先行も複勝圏には多く絡んでいる一方、追込はかなり分が悪い。
つまり今年の京都新聞杯で狙いたいのは、
好位〜中団で運び、3〜4角の下りからスムーズに加速して4角で射程圏に入れる馬。
最後方から大外一気の馬ではなく、ある程度ポジションを取れる差し馬、もしくは好位から長く脚を使える馬を重視したい。
印をつけた馬の解説
エムズビギン
総合恩恵:★★★★☆
今回の軸はエムズビギンにする。
理由はシンプルで、2番枠、川田、調教も良く、きさらぎ賞2着の再評価。この4つが揃っているから。
きさらぎ賞は当初、スロー前有利の京都1800mで、エムズビギンも向いた側と見ていた。ただ、その後のメンバーを見ると、3着ラフターラインズがフローラS勝ち、6着ゴーイントゥスカイが青葉賞勝ち、7着ローベルクランツが毎日杯2着。レース全体のレベルはかなり高かったと見てよさそう。
その中で、エムズビギンは壁を作れずやや掛かりながらも、スロー好位から2着。京都外回り経験があり、スタートや折り合いにも進境を見せた。
今回も2番枠なら、好位〜中団前でロスなく運べる可能性が高い。乾いた京都芝で、内〜中を立ち回れるのも大きい。
不安は2200m。きさらぎ賞は1800mで、京都新聞杯は2200m。後半4F戦になった時に、最後まで脚を使い切れるかはまだ証明しきれていない。
それでも、今回のメンバーで一番3着内にまとめやすいのはこの馬と見る。
まとめると、エムズビギンはオッズ妙味で本命にする馬ではないが、馬券の土台として最も信頼したい馬。
アーレムアレス
総合恩恵:★★★★☆
◎はアーレムアレス。
ホープフルS4着の内容をかなり評価している。あのレースは標準馬場、前有利、後方不利、内有利、外不利のスローペース。そこでアーレムアレスは1馬身出遅れ、押してかなり掛かり、後ろ目インから馬群を突いて4着。
条件が向いたというより、かなり乗りにくい競馬をしながら能力で掲示板に来た内容だった。
さらにホープフルS組は、その後に再評価できる。ロブチェンが皐月賞1着、フォルテアンジェロが皐月賞5着、アスクエジンバラも皐月賞4着。ホープフルSが当初見られていたより高いレベルだったなら、そこで負荷のある4着だったアーレムアレスは、今回のメンバーでは能力上位と見て良い可能性がある。
アザレア賞はブラックオリンピアに並んだところで突き放されたが距離適性と位置取りで無理した分の2馬身かなと思う。
1番枠は良し悪しがある。ロスなく運べるのはプラスだが、出遅れると後方インで詰まるリスクがある。掛かる馬なので、内で包まれる形も楽ではない。
それでも単勝13倍前後なら、リスク込みで買える。今回は「一番勝つ確率が高い馬」ではなく、来た時に一番回収を作れる馬として◎にする。
まとめると、アーレムアレスは乗り難しさはあるが、ホープフルS内容とオッズが噛み合う期待値本命。
バドリナート
総合恩恵:★★★★☆
○はバドリナート。
ホープフルSは5着。内容としては好位インでロスなく運んでおり、アーレムアレスほど「負荷を受けて強い」とは言いにくい。ただし、京都新聞杯で大事なのは能力絶対値だけではない。
今回のバドリナートは、8番枠から好位〜中団前で運べそう。極端に内で詰まる枠でもなく、外を回されすぎる枠でもない。隊列予想でも前〜好位に置ける馬で、京都2200mの3〜4角加速に対応しやすい位置を取れそうなのは強み。
不安は春に1回使えなかった点。ホープフルS5着なら、本来は皐月賞を目指してもおかしくなかった馬。左後肢の裂蹄でローテが狂った点は、能力評価を下げる材料ではないが、順調度としては注意したい。
調教はA評価で、状態面はまずまず。久々でも、オッズが10倍前後なら十分買える。
まとめると、バドリナートは能力最上位ではないが、位置取り・枠・オッズが噛み合う相手本線。
カフジエメンタール
総合恩恵:★★★★☆
▲はカフジエメンタール。
毎日杯3着は、見た目以上に評価したい。1馬身出遅れながら、スローペース好位インまでリカバリーして、それなりに伸びた。毎日杯自体は高速馬場、前有利、後方不利、やや外不利のレース。そこで出遅れ込みで3着なら、内容は悪くない。
調教も良い。1週前CW6F80.0秒で自己ベスト、最終坂路も終い11.8秒。状態面だけならかなり良い。
9番枠も悪くない。内で閉じ込められるより、ある程度自由に運べる中枠。出遅れ癖が出ても、極端な後方にならなければリカバリーはできる。
不安は、乾いた京都芝で高速寄りの3F戦になった場合。カフジエメンタールは、瞬発力勝負で最上位というより、少し上がりが掛かる4F戦で良さが出そうな馬。ドスローの切れ味勝負になれば、エムズビギンやベレシートの方が上かもしれない。
まとめると、カフジエメンタールは状態と距離延長で浮上余地がある、配当を跳ねさせる▲。
ベレシート
総合恩恵:★★★☆☆
△はベレシート。
能力だけなら、正直この馬が一番上。
ただ、流石にまだ若く幼いが故の緩い追込馬に1倍台のオッズで全幅の信頼を置きに行くのは自分のスタイルに反する。
共同通信杯で2着。勝ったリアライズシリウスは皐月賞2着、3着ロブチェンは皐月賞1着。つまりベレシートは、皐月賞1着馬と2着馬の間に入った馬とも言える。共同通信杯を今年の3歳ハイレベル戦の一つと見るなら、ベレシートはG1級に近い能力を持っていると評価していい。
ただし、今回は買いづらい材料も多い。
まず15番枠。京都新聞杯は外枠が絶対ダメなレースではないが、ベレシート自身が折り合いに課題があり、後方寄りの脚質。隊列予想でも追込グループ。差し有利傾向とはいえ、最後方一気はかなり危険。
さらに調教評価はB。中11週で追い切り4本、ダービーも見据えた仕上げで、やや余裕残しの印象。能力で走ってくる可能性は高いが、今回ここをメイチで取りに来たというより、先も見据えた仕上げに見える。
つまり、ベレシートは消す馬ではない。だが、2倍で軸にする馬でもない。
まとめると、ベレシートは能力最上位級だが、15番・追込想定・叩き仕上げ・人気を考えて相手まで。


コメント